TPP法案、秋に先送りも 政府・与党検討 参院選を意識

 
記者会見する菅官房長官=13日午前、首相官邸

 政府、与党は13日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案について、今国会での承認や成立を見送る方向で検討に入った。承認案を審議する衆院特別委員会で、与野党対決が解消する見通しが立たない中、成立を目指して審議を強行すれば、今月の衆院補欠選挙や夏の参院選に影響すると懸念した。安倍晋三首相はTPP承認案などに関し、丁寧に審議し、強行すべきではないとの認識を複数の与党幹部に伝えた。与党関係者が明らかにした。

 今国会は6月1日が会期末のため、4月中の衆院通過が見通せなければ、参院に法案を送付しても審議未了、廃案となる可能性がある。政府筋は「今国会での成立を諦めたわけではないが、スケジュール的にかなり難しくなっている」と指摘した。

 自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長は13日、東京都内で会談し、空転している衆院特別委などを正常化すべきだとの認識で一致した。同席した自民党の佐藤勉国対委員長はTPP承認案などについて「今月中に衆院を通らなければ、成立見送りを考えなければならない」と記者団に述べた。今国会成立に向けて努力する考えも示した。

 その後、佐藤氏は15日の特別委での集中審議や、民進党が求めている20日の党首討論に応じる考えがあると表明した。TPP審議正常化に向けた譲歩案として13日午後の民進党との国対委員長会談で正式に伝えた。

 菅義偉官房長官は記者会見で、民進党などが交渉過程の資料公表を求めていることに関し「相手国との信頼関係があり、過去にも交渉過程は一切明らかにしていない」と強調した。民進党の山井和則国対委員長代理は「政府が真っ黒な資料しか出さないなど審議条件が整っていない。頬かむりするのか」と批判した。