昨年度の貿易赤字、原油安で88%縮小 それでも1兆円超で5年連続
財務省が20日発表した平成27年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆792億円の赤字だった。東日本大震災が起きた23年度以降、赤字は5年連続だが、原油価格の下落で輸入額が減少。赤字額は前年度の9兆1277億円に比べて88.2%も縮小した。
輸出は前年度比0・7%減の74兆1173億円となり、3年ぶりに減少した。米国向けの自動車が好調だった一方、市況が緩んでいる鉄鋼や、医薬品の原料などの有期化合物が振るわなかった。輸入は10・3%減の75兆1964億円と2年連続で減少した。原油価格の大幅下落を受け、原油が37・9%減、液化天然ガス(LNG)も41・4%減となり、輸入額を押し下げた。
国・地域別の貿易収支は、対米国が7兆2238億円の黒字。対中国が6兆625億円の赤字となり、過去最大の貿易赤字になった。対欧州連合(EU)は6257億円の赤字だった。
一方、同時に発表した28年3月の貿易収支は7550億円の黒字だった。黒字は2カ月連続。輸出額は前年同月比6・8%減の6兆4566億円、輸入額は14・9%減の5兆7016億円だった。
原油安で輸入額の減少が続き、27年度下半期からは貿易黒字が定着しつつある。財務省担当者は「この様相はしばらく続きそうだ」とみる。
ただ、一方で中国の景気減速などで輸出は鈍り、先行き不透明感も強い。さらに、熊本県を中心とする地震によって、自動車や電機メーカーのサプライチェーンは打撃を受けており、相次ぐ工場の操業停止が今後の輸出に影響してくる懸念もある。
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