日銀、長期化なら金融仲介に制約 マイナス金利影響分析
日銀は22日に公表した金融システムレポートで、マイナス金利政策が長引いて金融機関の収益力の減少が続いた場合、金融仲介機能の制約につながる可能性があると指摘した。
ただ、現状では、金融機関は十分な自己資本があり、貸し出しや投資を積極的に行っていると評価した。国内金融システムについては「安定性を維持している」との判断を据え置いた。
マイナス金利政策が金融機関の収益に与える影響については、利ざやの縮小で「当面、下押し圧力を強める方向に作用する」と指摘。国際金融市場の動揺によって有価証券から得られる収益が期待しにくくなっていることなどから、「基礎的収益力の低下が表面化しやすくなっていく可能性がある」という。
その上で、それぞれの金融機関に対し、海外事業展開や事業領域の拡大、ITの活用による業務の見直しやコスト削減など、収益力を高めるための取り組みを促した。
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