景気のもたつき浮き彫り 3月の主要経済統計出そろう
3月の主要経済統計が28日、出そろった。企業の旺盛な採用意欲により雇用情勢は改善が続いたが、賃金の伸び悩みに伴う節約志向の強まりで物価、消費支出がマイナスになるなど、景気回復のもたつきぶりが改めて浮き彫りになった。
厚生労働省が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.30倍、総務省が同日発表した3月の完全失業率は前月比0.1ポイント低下の3.2%で、いずれも2カ月ぶりに改善した。2015年度平均有効求人倍率は前年度比0.12ポイント上昇の1.23倍、平均の完全失業率は前年度比0.2ポイント低下の3.3%で、それぞれ6年連続の改善となった。
雇用関連指標の堅調さとは裏腹に、個人消費は持ち直しの動きが鈍い。今年の春闘で賃上げが思ったほど広がらなかったためだ。実際、総務省が28日発表した3月の2人以上世帯の家計調査によると1世帯当たりの消費支出は30万889円と物価変動を除いた実質で前年同月比5.3%減少。マイナスは2カ月ぶりで昨年3月以来の下げ幅だ。総務省は、消費の基調判断について前月に続き「弱い動きがみられる」とした。
家計が生活防衛のために節約志向を強める中、3月の小売業の販売も“壊滅”状態だ。3月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年同月比2.9%減と2カ月ぶりに前年水準を割り込んだ。3月の全国のスーパー売上高(同)も0.3%減と4カ月ぶりにマイナスになり、主要コンビニエンスストア9社の売上高も0.1%減と、1年ぶりにマイナスに転落した。
節約志向でモノが売れないので外食を中心に集客のために値引きをする動きも広がり、日銀の思惑通り物価が安定的に上昇する見通しは立っていない。生産活動も、3月は鉱工業生産指数が2カ月ぶりに上昇したが、熊本、大分両県での地震影響で減速が確実だ。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「足元は消費の停滞が続き、熊本地震で生産も下押しされるリスクが高い」と指摘。日本経済を力強く引っ張る牽引(けんいん)役は見当たらない。
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