「投資の流れに水を差す」マイナス金利の矛盾指摘、懐疑的な声

 

 日銀の「マイナス金利政策」は、民間銀行が日銀に預けるお金が多くなると、その分日銀に支払う手数料が増える仕組みだ。信託協会が「貯蓄から投資への流れに水を差す」として、年金信託や投資信託の適用除外を日銀に求めるなど政策の“矛盾”も指摘され始めた。プラス効果が出てくるまで、懐疑的な声はやみそうにない。

 日銀は3月の金融政策決定会合で、証券会社の決済口座にあたる「マネー・リザーブ・ファンド(MRF)」の適用除外を決めた。

 信託協会の池谷幹男会長は「年金信託は公的年金の補完、投資信託は貯蓄から投資への流れの核となる商品」と唱え、適用除外に含むよう求めたが、日銀幹部は「MRFは法令上、元本が保証されている。性格を異にする他の投資信託の適用除外は考えていない」と説明した。

 また、「日銀が金融機関への貸し出しにマイナス金利を適用する」との一部報道を受け、投資家は3メガバンク株を買い増していた。

 マイナス金利での貸し出しは、日銀からお金を借りた金融機関が日銀に利息を支払わなくて済むどころか、利息を受け取れることを意味する。市場では「銀行の収益が改善する」と好感されたが、こうした措置は見送られ、28日の東京株式市場では3メガの株価が軒並み6%程度も下落した。

 マイナス金利による銀行の利ざや縮小懸念は根強いが、黒田東彦総裁は同日の記者会見で「金融政策は金融機関のためではなく、日本経済全体のためにやっている。金融機関の収益は歴史的に高い水準を3年間維持している」と反論した。