日銀のマイナス金利 「評価する」は「評価しない」の3倍に 「どちらでもない」が過半

主要企業121社アンケート

 産経新聞が主要121社に実施したアンケート(無回答を除く)で、日銀が2月に導入した「マイナス金利政策」について、約3分の1が「評価する」と答えた。銀行の収益を圧迫するとして金融市場での評判は芳しくないが、「評価する」は「評価しない」の3倍に達し、低金利での資金調達を検討するメーカーを中心に、期待感も膨らんでいることをうかがわせた。

 導入から約2カ月半と日が浅いためか、「どちらでもない」が55%を占め、「評価は時期尚早」(保険、機械、電機、鉄鋼)との声が大半だった。「プラス面とマイナス面がある」(サービス)という意見もあった。

 「評価する」は34%だった。「住宅ローン金利の低下は需要喚起につながる」(建設)と直接効果を期待する声のほか、「デフレ脱却に寄与する」(電機)、「設備投資が期待できる」(小売り)など中長期的に日本経済の底上げにつながるとの意見が寄せられた。

 マイナス金利は、民間銀行が日銀に預けるお金の一部に事実上0・1%の手数料を課す仕組み。市場金利が大幅に低下する中、銀行の貸出金利から預金金利を差し引いた「利ざや」の縮小が深刻化し始めている。

 アンケートで「評価しない」は11%にとどまったが、将来的に預金金利もマイナス圏に沈むとの懸念は根強く、「消費者心理を冷え込ませる」(流通)との意見もみられた。

 社業にとって「追い風」は18%と「逆風」の6%を大きく上回った。建設・不動産や電力、食品、商社など幅広い業種の企業は「資金調達コストを抑制できる」と期待するが、「どちらでもない」が最も多く76%を占めた。

 日銀は、マイナス金利で企業の設備投資が活発化するともくろむが、平成28年度の設備投資を前年度から「横ばい」と予想する企業が53%と、マイナス金利の影響を見極めている実態が浮かび上がる。

 こうした中、日銀は4月28日の金融政策決定会合で、2%の物価目標の達成時期を「29年度中」に約半年先送りしたが、アンケートでは「30年度前半ごろにずれ込む」「30年度後半ごろにずれ込む」「いずれの時期でも達成は難しい」を合わせると90%に達した。

 「人口が減少する中、2%の目標に無理がある」(保険)という厳しい意見のほか、日銀の姿勢を評価しつつも、「成長戦略と財政出動を期待する」(エネルギー)と金融政策頼みの政府への注文も目立った。