ヒンズー教で神聖視の牛、食肉裁判で波紋 「禁止」の法に違憲判決

 

 【ニューデリー=岩田智雄】インド西部の商業都市ムンバイを抱えるマハラシュトラ州で、ヒンズー教徒が神聖視する牛の所有を禁じる動物法の改正について一部違憲とする判決が波紋を広げている。

 地元メディアによると、食肉処理や肉の所有を禁止する「動物保全法」は、昨年行われた法改正で、従来の雌牛に加え、雄牛の食肉処理が禁止され、あらゆる牛肉の所有が禁じられた。

 だが、改正法の条項のうち、牛肉の消費につながる牛肉の所有について、ムンバイ高裁は6日、所有を禁止することは「個人の自由を侵害する」として、違憲との判断を下した。

 判決は法改正を推進したモディ首相の与党、インド人民党(BJP)に打撃となった格好だ。

 マハラシュトラ州では2014年、ヒンズー至上主義のBJPが“モディ人気”に乗って、州議会選で勝利し、法改正につながった。BJP党員の州首相はツイッターに、「私たちの夢が現実になった」と書き込んでいた。

 判決を受け、州政府は最高裁に上告する姿勢を見せている。

 一方、法改正で失業者も出ていた、イスラム教徒を中心とする、牛肉や皮革製品で生計を立てている人たちには、今回の違憲判決は歓迎されそうだ。ただ、食肉処理の禁止については合憲と判断されたため、判決は失業問題の解決にはつながらないとみられる。