G7財務相会合 元財務官・篠原尚之東大教授に聞く「構造改革で低成長を打開」
20日開幕する先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の議論の展望などを、元財務官で国際通貨基金(IMF)副専務理事も務めた篠原尚之東大教授に聞いた。
--財政出動でどこまで協調できるか
「G7が一致して景気対策で財政出動していくという合意は難しい。過去にもほとんどできたためしがない。リーマン・ショック後は一斉に財政出動したが、当時は世界経済の成長率がマイナスになり非常に強い危機感があった。今は成長率がジリジリ落ちていることは問題だが3%程度で、底割れしそうという危機感はまったくない」
--世界経済の浮揚に向けて期待する点は
「金融、財政、構造政策を各国がそれぞれの国情に応じて組み合わせ取り組むことでひとまず一致するだろう。注目は世界経済全体が成長を見込みにくくなっている問題への対処、すなわち構造改革だ。高齢化や労働人口減少などへの対応をどう進めるか議論し、政治的に強い意志を示してほしい」
--為替の安定も重要なテーマになる
「急激な変動への懸念や通貨安競争の回避など従来の合意と同様ものがおそらく出てくると思う。最近の円高ドル安を受け日本は為替介入への用意に言及したが、今の情勢でG7の理解を得る素地はなく、大騒ぎするのはどう見ても得策ではない」
--「パナマ文書」を受け、国際的な課税逃れ対策も課題だ
「一段と強い姿勢で対策の強化に臨む見通しだが、主要国だけでなく世界全体で対応が必要だ。新興国の当局の事務能力などを勘案しても、実効性を高めるには相当時間がかかると思うが、国際社会が結束を強め、実行していかなければならない」
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