伊勢志摩サミットきょう開幕 経済安定への政策協調焦点

 
サミット開幕を前に伊勢神宮内宮を訪れ、関係者から説明を受ける安倍首相=25日午後、三重県伊勢市

 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が26日、三重県志摩市・賢島のホテルを主会場に開幕する。先進7カ国(G7)は不透明さが残る世界経済の安定で結束。南シナ海を含む海洋安全保障、テロ対策や難民支援の問題も討議する。議長を務める安倍晋三首相が、各国で距離がある財政出動などの政策協調でどこまで指導力を発揮できるかが焦点になる。

 2日間の議論を踏まえ、安倍首相が27日に首脳宣言と、テロ対策や腐敗防止、国際保健、女性活躍、サイバーなど6つの付属書を発表する。

 サミットには安倍首相のほか、オバマ米大統領やキャメロン英首相、ドイツのメルケル首相、フランス、イタリア、カナダ、欧州連合(EU)の首脳が参加する。日本開催は6回目で8年ぶり。東京以外で行われるのは2008年の北海道洞爺湖サミット以来3回目。安倍首相は25日午後に三重県入りした。

 今回のサミットは、初日に討議される世界経済が最大のテーマとなる。下振れリスクについて各国首脳が認識を共有し、金融・財政政策や構造改革を総動員することで一致する見通しだ。乱高下が続いた為替の安定や、「パナマ文書」で関心が高まる課税逃れ対策などでも議論を深める。安倍首相は25日、「先進7カ国(G7)として世界経済の持続的な成長に貢献する力強いメッセージを出したい」と記者団に述べた。だが、中国など新興国経済減速に加え、英国のEU離脱や難民問題など世界経済には依然として不確実性が残っている。

 20、21日に仙台市で開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議では世界経済てこ入れに向け、各国が事情に応じ政策を総動員する方針を打ち出したが、日本が主張する需要喚起のための財政出動は、ドイツなどが消極的で協調は見送られた。

 今回のサミットでも政策の総動員で合意する見込みだ。その上で安倍首相が各国から「財政出動が重要」という認識をどれだけ引き出せるかも焦点となる。

 為替市場をめぐる議論も注目だ。仙台会合では為替レートの過度な変動は経済に悪影響があるとの認識を共有した。日本としてはサミットでもこれを引き継ぎ、急激な円高の場合は為替介入に踏み切れる環境を整えておきたい考えだ。

 パナマ文書で浮上した国際的な課税逃れ問題は、タックスヘイブン(租税回避地)を使う多国籍企業などに反発する世論もあり、各国が対応を急いでいる。サミットでは関係国の捜査機関が情報を共有する枠組みの拡充などを議論する。

 このほか、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など多角的貿易体制の強化や、日本が進める「質の高いインフラ投資」など、幅広い分野で首脳同士が率直な意見交換を行う予定だ。