高浜1、2号機認可 「高経年」原発稼働に追い風

 
関西電力高浜原発1号機(手前)と2号機=福井県高浜町

 原子力規制委員会が20日、運転開始から40年が経過した関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の運転延長を認めたことは、次の「40年原発」として続く30年超原発を抱える他の大手電力の延長に追い風となる。初の延長認可は高いハードルが置かれた「高経年」原発の審査のひな型になり、電力各社が審査に柔軟に対応できるようになるからだ。再稼働で関電の収益改善も期待されるため、電力各社は高経年原発に前向きに取り組むことができそうだ。

 稼働から30年を超え、数年内に運転延長か廃炉のどちらかを判断しなければいけない原発は現在、関電をはじめ東京電力ホールディングス、東北電力、四国電力、九州電力などが持つ。

 運転延長は高経年化で安全対策費用がかさむ。電力各社は費用対効果を厳しく見極めることになるが、新増設が難しい社会情勢を踏まえると、出力規模が大きく経済性に優れた原発は当面残したいというのが本音だ。

 「原発は経済性のある電源。安全が確認された40年超原発の活用も必要だ」。高浜1、2号機に続き、美浜3号機(福井県)の運転延長も目指す関電の八木誠社長はこう繰り返し述べてきた。

 関電は2016年3月期に5年ぶりに最終黒字に転換したが、原油価格の下落に伴う燃料安に助けられた格好で、今後の収益環境は不透明だ。高浜1、2号機の再稼働による収益改善効果は年約1100億円という。4月に策定した中期経営計画では保有原発の大半を再稼働させ、10年後の経常利益を3000億円以上に引き上げることを掲げた。

 電力小売りの全面自由化が始まり、各社が競争力を確保していくためには発電コストの低い保有原発の早期再稼働が欠かせない。(佐藤克史)