上海協力機構、テロ対策強化で一致 新規加盟は進展せず

 

 【モスクワ=黒川信雄】ロシアと中国、中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)の首脳会議は24日、ウズベキスタンの首都タシケントで、テロや過激主義に対する加盟国間の連携強化などをうたった共同宣言を採択し、2日間の日程を終了した。

 イタル・タス通信によると、共同宣言は、宗教的思想などに基づく過激主義やテロリズムを「世界共通の脅威」とし、加盟国が連携して戦いを進めるほか、予兆に対しても対処する必要があると強調した。中央アジアではカザフスタンで5日、武装集団が治安当局などを襲撃。タジキスタンでも昨年、治安警察幹部がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)への参加を表明し、過激勢力の伸長が懸念されている。

 昨年の会議で新規加盟に向けた手続き開始が合意されたインドとパキスタンをめぐっては、「来年の会議には(加盟が)間に合う」(プーチン露大統領)とされるにとどまった。加盟手続き開始に向けロシアが積極姿勢を示していたイランも進展がなかった。ロイター通信は、同国の加盟でSCOが反欧米的な性格を強めかねないとして、中国が反発した可能性を報じた。