為替介入、追加緩和…政府・日銀の対応に手詰まり感
EU離脱問題英国の国民投票でEU離脱が決まったことを受け、政府は28日、経済財政諮問会議を開き、安倍晋三首相が日本経済の下振れを防ぐため政策を総動員するよう閣僚らに指示した。ただ、円高を抑える為替介入は米国などの反発が強く、追加経済対策は財源が限られる。超低金利が続く中、金融緩和策にも手詰まり感があり、政府・日銀の危機対応が試される。
「市場には不透明感が残っている。あらゆるリスクの芽を一つ一つ摘んでいかなければならない」。首相は会議でこう強調した上で、円を売って米ドルや英ポンドを買う為替介入を念頭に、麻生太郎財務相に対して市場変動へ「機動的な対応」をとるよう指示した。日銀の黒田東彦総裁には「市場の流動性確保」を要請。石原伸晃経済再生担当相には会議後、個別に「経済対策をしっかりまとめてほしい」と求めた。
前日の政府・日銀による緊急会合に続いて首相が政策対応を命じたのは「市場の安定に全力を尽くす」(首相)政府の強い意志を示すためだ。
ただ、円売り介入は、11月に大統領選を控え、自国の輸出企業に不利なドル高を招きたくない米国を中心に先進国が批判的で、協調介入は期待できない。単独介入も、ルー米財務長官が27日の米テレビインタビューで「一方的な為替介入は金融市場を不安定にする」と述べ、介入も辞さない姿勢の日本政府を牽制した。
一方、政府は、秋にも追加経済対策をまとめる方針だ。額面以上の買い物ができるプレミアム商品券などの消費喚起策や、中小企業対策が柱になる見込みだ。
しかし、参院選を控えて与党の歳出圧力は強く、経済対策の裏付けとなる平成28年度第2次補正予算には10兆円以上の規模を求める声が上がる。年初来の円高で27年度の税収が想定を下回る見込みであることなどから財源確保は難航が予想される。
金融政策に関しては、日銀の黒田総裁が諮問会議後、記者団に「日銀としての考え方は以前から申し上げている」と述べ、必要に応じ追加緩和策を打ち出す考えを改めて示した。だが、マイナス金利政策で金利は下がり28日は長期金利の指標である新発10年債の利回りが過去最低を更新した。市場では「金利の引き下げ余地はなく、金融緩和策は限界にある」との見方が強く、政府・日銀も対応には苦慮しそうだ。
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