「事実上の『ヘリマネ』進めるべき」 中央大経済学部教授・浅田統一郎氏
政権に求める経済政策安倍晋三政権が進めたアベノミクスにより円安や株高、雇用・所得の改善など、目に見える形で成果が出た。英国の欧州連合(EU)離脱などの「外部ショック」で円高、株安に振れたが、アベノミクスにより経済に余裕がでているため(影響も)今の水準で済んでいる。
もし、旧民主党政権末期の経済状況で外部ショックに見舞われれば、日経平均株価が5000円台、円ドル相場は1ドル=50円台に突入してもおかしくない。
ただ、アベノミクスの成果を生み出した大部分は、「旧・三本の矢」の第1の矢である金融政策だ。第2の矢の財政政策に関しては、消費税率を8%に引き上げたことが個人消費の低迷につながっており、失敗だった。本来、財政政策は金融政策をサポートしなければならないが、逆に足を引っ張ってしまった。
今後、平成32年ごろに名目国内総生産(GDP)600兆円の達成を目指すにあたり、政権は初心に戻って財政・金融政策を同じ方向に向け、ポリシーミックス(政策の組み合わせ)を進めなければならない。
安倍首相が消費税率10%への引き上げを延期したのは非常にいい決断だった。政府は消費税増税に頼らず、国民の役に立つ用途への政府支出を増やすべきだ。格差是正や社会保障の充実、災害に備えたインフラの保守点検など、やるべきことはいくらでもある。
財源には日銀の緩和マネーを使う。政府はさらに大々的に国債を発行し、日銀が市場や民間銀行を通じて購入すればいい。事実上の「ヘリコプターマネー」を進めるべきだ。
こうした手法を「財政ファイナンス」だとタブー視する人もいる。しかし、日銀が掲げる2%の物価上昇目標はまだ遠い。緩和マネーを活用すれば、国民が財布のヒモを絞ることはない。日銀はしっかり政府と連携していくべきだ。(山口暢彦)
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【プロフィル】浅田統一郎氏
あさだ・とういちろう 早大政経卒。昭和57年一橋大大学院博士後期課程単位取得満期退学。経済学博士(中央大)。駒大助教授、中央大助教授などを経て平成6年4月より中央大教授。62歳。愛知県出身。
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