
バーナンキFRB前議長【拡大】
来日している米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長が11日、東京都内の日銀を訪問し、黒田東彦総裁と約1時間半、面談した。英国の欧州連合(EU)離脱問題など、世界の経済情勢や、金融政策の行く末について意見交換したとみられる。参院選の与党勝利を受け、12日には安倍晋三首相が経済・財政政策についてバーナンキ氏の意見を聞く。
黒田氏とバーナンキ氏は旧知の間柄。バーナンキ氏は今回、政府に招かれて来日しており、日銀には「あくまで表敬訪問として立ち寄った」(関係者)とみられる。ただ市場では「追加の金融緩和の必要性についても議論したのではないか」との臆測もささやかれた。
またバーナンキ氏は、政府が商品券や給付金で直接国民にお金を配り、その財源として政府の発行する国債を中央銀行が直接引き受ける「ヘリコプター・マネー(ヘリマネ)」の提唱者として知られる。金融緩和の限界論が取り沙汰される中、安倍首相にヘリマネ導入を説く可能性も指摘される。
黒田総裁は6月の記者会見で、ヘリマネ導入に否定的な考えを示した。ただ、政府は与党勝利を受けて大型の補正予算や新規国債の追加発行を検討する。
無制限の国債発行は財政への信認を損う恐れもあるが、第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「償還期限のない永久国債を日銀が引き受ければ、国は借金を返す必要がなくなる。こうしたヘリマネ策が俎上(そじょう)に乗るかもしれない」と指摘した。