円高警戒、「日銀追加緩和」広がる観測 物価押し上げ効果は疑問 (1/4ページ)

2016.6.30 06:21

バークレイズ証券・森田京平氏
バークレイズ証券・森田京平氏【拡大】

  • 富士通総研・早川英男氏
  • 野村証券・木下智夫氏
  • 日本総合研究所・山田久氏
  • みずほ証券・山本雅文
  • 第一生命経済研究所・藤代宏一氏

 英国の欧州連合(EU)離脱決定後の円高・株安を受け、日銀が7月28~29日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切るとの見方が市場で急増している。1ドル=100円の円高水準が続くと輸出企業の収益が悪化し、デフレ心理の再燃を招く恐れがあるからだ。市場参加者の間では、「100円の壁」を再突破すれば、日銀が臨時会合を開くとの観測もくすぶる。

 「100円の場合、上場企業・製造業の経常利益は約2兆4600億円押し下げられる」

 SMBC日興証券はこんな試算を出した。現実になれば、企業は投資や賃上げをますます抑制し、個人消費の回復も遅れてしまう。その結果、日銀が掲げる「2017年度中」の2%物価目標の達成は遠のく。

 実際、バークレイズ証券は英国の国民投票前、「残留」を想定して17年度の消費者物価(生鮮食品を除く)上昇率を前年度比1.1%と予想していたが、0.6%に下方修正した。

急ピッチの円高に対し、政府は為替介入をちらつかせたが…

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