ビッグデータで高速バス渋滞回避 政府がシステム実証実験

 

 政府は、首都圏を走る自動車の位置情報や走行履歴といったビッグデータを活用し、高速バスが渋滞を回避してスムーズに走行できるよう支援する運行管理システムの実用化の検討を始めた。データをバス運行会社と共有し、ルート変更や他の交通機関への乗り換えなどが柔軟にできるようにする。遅れが許されない空港行きのバスなどで利用し訪日外国人旅行者の利便性を高めるほか、交通規制と円滑な移動の両立が不可欠となる2020年の東京五輪・パラリンピックでの活用も視野に入れている。

 国土交通省が新システムの効果や実現可能性についての研究を始めており、17年度予算の概算要求にも調査費を盛り込む。

 ビッグデータの収集には高速道路の自動料金収受システム(ETC)で、双方向通信が可能な「ETC2.0」を活用する。対応機器を搭載した車が高速道路に設置されたITSスポットと呼ばれるアンテナを通過すると位置情報や速度、時刻などのデータが記録される仕組み。渋滞などの道路状況がリアルタイムで把握できる。

 運行しているバスの位置情報を含むデータを国が管理するサーバーに随時送信。バス会社と共有できるシステムを構築し運行に活用する。

 具体的には、遅延情報などをバスターミナルで表示するほか、利用者のスマートフォンに通知する。また高速道路の渋滞や交通規制を避け、混雑の少ない一般道路へ迂回(うかい)したり、鉄道などの他の交通機関や別の路線の高速バスに乗り換えたりできるようにする。データから時間帯による渋滞発生などの傾向を把握すれば、運行ダイヤに反映させることも可能だ。

 今年度中にデータの収集を始め、データの活用で遅れがどのくらい短縮されるかなど効果を検証する。4年後に迫った東京五輪での活用も見据え、交通規制時の応用についても研究を進める。

 国交省によると、ドライバー1人当たりの年間自動車乗車時間は約100時間で、このうち約4割が渋滞によって浪費されており、特に首都圏は交通集中による渋滞ロスが大きい。高速バスは道路状況によって到着時間が変わるため、他の交通機関との乗り継ぎがスムーズにいかず訪日客らの利便性も損なわれている。