保育所へ土地貸与で非課税に 政府、相続・贈与で優遇策創設検討

 

 政府が相続・贈与された土地を保育所や幼稚園向けに貸与する際に、相続税や贈与税を非課税にする税制優遇策の創設を検討していることが5日、分かった。都市部を中心に保育所などに入りたくても入れない待機児童問題が顕在化する中、安倍晋三政権が進める保育の受け皿整備を税制面から後押しする。

 地方自治体の要望を受け内閣府、厚生労働省、文部科学省が8月末にまとめる2017年度税制改正要望に盛り込む方向だ。

 土地の相続や贈与時には土地の評価額から基礎控除を差し引いた額ごとに10~55%まで8段階の相続税や贈与税がかかる。保育所などの用地として貸与する場合に非課税になれば、用地確保が進みやすくなる。

 制度設計は今後詰めるが非課税措置を受けられる土地の広さなどを定めるなど一定の条件を課す。単なる金持ち優遇にならないような設計が課題になる。

 厚生労働省によると、昨年4月時点の待機児童数は前年同期比8.4%増の2万3167人と5年ぶりに増加した。夫婦の共働きが増え、都市部を中心に保育を必要とする子供の数は増加している。

 安倍政権は、17年度末までに50万人分の保育の受け皿を確保する方針で、2%相当の給与引き上げなど保育士の待遇改善などを打ち出したが、施設の整備に必要な土地の確保は地域住民らの反対が出るなど困難さを増している。

 都市部では保育所向けに土地を貸与していても、地価の上昇に伴って相続税が上昇する見込みになり、将来の相続に備えて収益性の高い別の土地活用を検討する人もいるという。

 自治体からはこうした点も踏まえた保育所整備などの環境改善の要望が政府に寄せられていた。