夏休み時期で薄商い、円買いが加速 先行きの不透明感も円高要因に

 

 16日の海外の外国為替市場では、円相場が約1カ月半ぶりの円高ドル安水準となる1ドル=99円台半ばまで急伸した。夏休み時期で円の取引に厚みがない中、米国の早期追加利上げ観測の後退を背景に円高ドル安の流れに弾みがついたが、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の有力者であるニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言が報じられて再び1ドル=100円台まで戻す場面もあり、乱高下の展開となった。

 円相場は8月に入って連日、一時1ドル=100円台後半をつけ、大台突破を試す雰囲気が続いていた。16日は日本を含めて世界的に夏休みを取っている市場参加者がまだ多く、普段より少ない売り買いでも値幅が大きくなった面がある。

 今月12日に発表された7月の米小売売上高など、最近の米経済指標がさえない内容となり、米国は早期に追加利上げには動けないとの観測が強まり、16日のロンドン市場やニューヨーク市場では円買いドル売りが加速。約5週間ぶりに心理的節目の1ドル=100円を突破した。だがその直後、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が、追加利上げの時期が近づいているとの趣旨の発言をしたと報じられたのをきっかけに、一時1ドル=100円台半ばまでドルを買い戻す動きが出た。

 市場では「米連邦準備制度理事会(FRB)としては年内の追加利上げの可能性を否定したくないはずで、週内は1ドル=100円を挟んで円が乱高下する可能性がある」(銀行系証券)との見方も出ている。

 一方、日銀による総括的な検証をめぐっては、緩和策が縮小に向かうのか拡大に向かうのか、市場参加者の間で思惑が交錯。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「少なくとも(不透明感から)円売りドル買いには傾きにくい」と語る。

 当面の円相場を占う上で注目されるイベントは、9月の日銀会合に加え、今月26日にFRBのイエレン議長が米ワイオミング州のジャクソンホールで行う講演だ。議長の発言内容によっては、円相場の手掛かり材料となる可能性がある。(森田晶宏)