中国船、南シナ海岩礁に10隻集結 フィリピン国防相「深刻な懸念」

 
南シナ海のスカボロー礁(ロイター)

 フィリピンのロレンザーナ国防相は4日、記者団に対し、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)に中国船10隻が集結しているのが3日に確認されたと明らかにした。「埋め立て作業は確認されていないが、深刻な懸念を持たざるをえない」と述べた。フィリピン外務省は駐マニラ中国大使に説明を求めたという。

 スカボロー礁はフィリピン・ルソン島から西約230キロの同国の排他的経済水域(EEZ)内にあり、2012年に中国が実効支配を固めた。米軍の艦船も頻繁に寄港するスービック港や首都マニラにも近い。

 ロレンザーナ氏によると、3日にフィリピン空軍機がスカボロー礁上空で偵察飛行を実施。中国海警局の4隻に加え、南沙(英語名スプラトリー)諸島で大規模な埋め立てが行われた時に確認されたのと同様の作業船を4隻確認した。軍の輸送艦とみられる船も2隻いたという。(共同)