北陸新幹線小浜京都ルート、巨額の整備費が課題、既存路線の活用も検討を

 
北陸新幹線の延伸で「小浜京都ルート」が採用された福井県小浜市。中央がJR小浜駅=19日午後2時29分(本社ヘリから)

 北陸新幹線の敦賀(福井県)以西の延伸ルートについて、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が20日、「小浜京都ルート」を正式決定した。今後は京都-新大阪間のルートが焦点となるが、2兆円以上とされる建設費の確保など課題は多い。

 「『我田引鉄』といわれないよう公平に議論してきた。妥当な報告だと思う」

 PT下部組織の検討委員会でルート選定を担った西田昌司委員長はこう自負した。昨年8月の開始以来22回の会合で、沿線自治体やJR各社などの関係者から意見を聞いた。今後は京都以南のルートに関する国土交通省の試算を待ち、年度内に最終決定する予定だ。

 火種は残っている。運行主体のJR西日本が東海道新幹線の北側を回る新線を求める一方、開発効果を期待する京都府は南側の関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の経由を要望。これに対し、財政負担を嫌う奈良県は県内乗り入れを拒む。整備新幹線の建設費は自治体が3分の1を負担する決まりで、各地域とも主張を譲らない。

 ただ、3分の2は国費で、国民の負担となる。沿線地域の便益に偏らず、日本全体の交通網をどう形成するのか、費用に見合う効果を得られるのかという視点が欠かせない。

 北海道▽東北(盛岡-青森)▽北陸▽九州(鹿児島・長崎ルート)-の整備新幹線計画を国が決めたのは43年前の昭和48年。その後、地方空港や高速道路が充実し、新幹線を取り巻く環境も大きく変わった。

 北陸新幹線の大阪開業は30年後の見通しだが、21年後にはリニア中央新幹線が東京と大阪を結ぶ。東海道新幹線のダイヤに余裕が生じる可能性は高い。将来世代の負担を軽くするため、既存インフラの活用も真剣に検討する必要がある。(山沢義徳)