米国がTPPから永久離脱へ トランプ氏が大統領令に署名、「TPPは終わり」と発言

 
署名済みの大統領令をかざすトランプ米大統領=23日、米ホワイトハウス(UPI=共同)

 【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は23日午前(日本時間24日未明)、ホワイトハウスで、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から永久に離脱すると定める大統領令に署名し、記者団に対して「米国の労働者にとって素晴らしいことだ」と述べた。また午後には鉄鋼業界や建築業界の労働組合の指導者らと面談で「公式にTPPを終わらせた」と話しかけ、労組側から拍手を浴びた。

 トランプ氏は大統領令で通商代表部(USTR)に対し、「TPP交渉から永久に離脱したうえで、米国の産業を活性化させ、労働者を守り、賃金を引き上げるための二国間自由貿易協定の追求に着手すること」を命じた。

 またトランプ氏はTPP離脱の大統領令への署名に先立ち、ホワイトハウスで企業トップらのグループと会談した。トランプ氏は「日本は米国が日本で車を売ることを不可能にしている」と主張し、「これは公平ではない」と強調。また中国に関しても同様の批判を述べた。

 TPPは参加する日米など12カ国のうち、国内総生産(GDP)総額の85%を占める6カ国以上の批准で発効する。しかし経済規模が大きい米国の離脱により、TPPの発効は不可能になった。

 スパイサー大統領報道官は23日の初めての定例記者会見で、二国間協定はTPPのような多国間協定と比べて、内容修正のための再交渉が容易だと説明。「相手国が欧州でもアジア太平洋でも中東でも、可能性がある二国間協定の検討を進めている」と述べた。また今週中に貿易問題に関する追加の発表があることも明らかにした。

 一方、トランプ氏は労組との会談のなかで北米自由貿易協定(NAFTA)について、「適切な時期」にメキシコとカナダとの再交渉を始めると述べた。トランプ氏は31日にメキシコのペニャニエト大統領とワシントンで会談する予定。またカナダのトルドー首相とも近く会談する意向だ。

 ロイター通信によると、ペニャニエト氏は23日のメキシコシティーでの演説で、米国との関係について「解決策は対立でも服従でもなく、対話と交渉であるべきだ」と述べた。またTPP発効が不可能になったことを受け、TPPに署名した各国との二国間協定の締結に向けて即座に動き出すことも明らかにした。