パイプラインの事業を許可、ただし「パイプは米国製で」 オバマ氏の却下覆してトランプ氏が大統領令

 
「キーストーンXL」の建設計画を推進する大統領令に署名するトランプ米大統領=24日、ホワイトハウス(ロイター)

 【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は24日、カナダのオイルサンド(油砂)から採取された原油を米国に運ぶパイプライン「キーストーンXL」の建設計画を推進する大統領令に署名した。同計画は環境保護派への配慮からオバマ前大統領が却下していたが、雇用創出を重視するトランプ氏によって判断が覆されたかたちだ。

 大統領令は建設計画を申請していたカナダのエネルギー企業「トランス・カナダ」に申請の再提出を依頼する内容。計画を検討する国務省には、再提出から60日以内に結論を出すよう命じている。ただしトランプ氏は署名の際、計画の内容について「再交渉する」とも表明。そのうえで2万8千人の雇用創出につながるとした。

 キーストーンXLはオイルサンド採掘時に多くの温室効果ガスが排出されることが懸念されてきたが、国務省は2014年1月、建設を認めたとしても気候変動問題への影響は軽微だとする報告書を発表。しかしオバマ氏は15年11月、建設を認めれば「気候変動問題での米国の指導力が損なわれる」として計画を却下していた。

 一方、トランプ氏は24日、ノースダコタ州からイリノイ州に石油を運ぶパイプライン「ダコタ・アクセス」の建設を進めるための大統領令にも署名した。また別の大統領令では商務長官に対して、パイプライン建設に米国製の材料や設備が可能な限り使われるようにするための計画を策定することも命じた。トランプ氏は「米国でパイプラインが建設されるなら、パイプは米国製であるべきだ」としている。