
トランプ米大統領(AP)【拡大】
労働経済学者のエンリコ・モレッティ氏が2012年に書いた「年収は『住むところ』で決まる」(プレジデント社)は、当時アメリカでベストセラーになった。この本では「イノベーション都市」の高卒者は「旧来型製造業都市」の大卒者よりも賃金が高いことが統計から示されている。
金持ちが住むエリアでは、質の高い生活関連サービスを提供する人たちが必要になる。例えば弁護士や歯医者に限らず、高級住宅街の美容師やネイル・アーティストなどの料金をイメージすれば分かりやすい。つまり本人の学歴よりも、むしろ周囲に住む人たちの学歴が賃金水準を決定していることが明らかにされている。
こうしたイノベーション都市はグローバル化している。高学歴者は全米のみならず世界中から集まり、お互いを刺激し合い、教育水準はますます高くなり、その結果、影響はお金がかかる健康格差にも波及し、男性の地域別平均寿命にすら明確な分断がみられるようになった。「旧来型製造業都市」では、同じアメリカ国民でありながら寿命まで短いのだ。そして地域格差はますます拡大しつつある。