インドネシアでオランウータン絶滅危機 カリマンタン島では20年で半減
西部バリの動物園で、オランウータンの体を洗う飼育員。インドネシアでは野生オランウータンの保護活動も行われているが、生息数の減少が続いている(AP)
インドネシアは、アジアの熱帯地域でのみ生息する野生のオランウータンが絶滅の危機に直面している。現地紙ジャカルタ・ポストなどによると、生息数は6万頭以下(一部マレーシアにも分布)で、特にカリマンタン島ではここ20年に半減したという。違法伐採や開発、森林火災などが要因だ。
現在、インドネシアには北部カリマンタン島のボルネオ・オランウータンと、西部スマトラ島のスマトラ・オランウータンの2種が生息する。いずれも、国際自然保護連盟(IUCN)のレッドリストで絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧IA類」に指定されている。
保護団体からは、6万頭という生息数は古いデータで、現在は4万5000頭まで減少しているとの声も上がる。保護団体の一つ、オランウータン基金インターナショナルは、パーム油産業の大規模農園拡大などによって毎年5000頭のオランウータンが命を奪われていると主張した。
専門家の見解では、野生のオランウータンは今後25年以内に絶滅する可能性が高いという。開発と自然保護を両立させてオランウータンの絶滅を防げるか、インドネシア政府の取り組みにも注目が集まっている。
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