GDP4四半期連続プラスも個人消費回復待ったなし 不安定な外需頼みの構図

 
職場に向かう会社員ら=東京・丸の内

 内閣府が発表した平成28年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は4四半期連続でプラス成長を確保したものの、依然、内需の柱の個人消費は力強さを欠き、輸出がけん引する「外需頼み」の構図は変わっていない。海外経済は、保護主義的な政策を掲げるトランプ米政権の誕生などによる不安定要因を抱える。日本は海外経済に左右されない、強い「内需」づくりが急務となる。

 10~12月期の輸出の伸び率は前期比2・6%で、7~9月期の2・1%を上回った。牽引したのは、個人消費主導で景気回復が続く米国市場向けの自動車や、6%台の成長を続けている中国市場向けのスマートフォン用の電子部品だ。

 ただ政府は先行きに対し「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」(石原伸晃経済再生担当相)と警戒を崩していない。

 トランプ米大統領は、今月10日の日米首脳会談でこそ通商政策に関する過大な要求を控えた。だが、今後の日米交渉では、円安や貿易不均衡の是正を求めてくる可能性は否定できない。

 こうした要求を背景に、円高が急速に進んだり、自動車メーカーの生産拠点の米国移転が加速したりすれば、日本の輸出は減り、GDPも下振れしかねない。

 米国以外でも、過剰設備問題を抱える中国の成長鈍化や、今年国政選挙が相次ぎ、保護主義的な勢力の台頭が心配される欧州の情勢も海外経済の懸念材料だ。

 こうした海外リスクの悪影響を受けないため、日本経済は外需頼みを脱し、内需を強化することが求められる。長時間労働を是正する「働き方改革」や「イノベーション」(技術革新)を進め企業の生産性や収益力を高め、賃上げや設備投資の拡大にもつなげる環境作りを急ぐ必要がある。(山口暢彦)