
ゴルフ場に到着したトランプ大統領と安倍晋三首相とみられる2人=11日午前、フロリダ州ジュピター(松本健吾撮影)【拡大】
トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ジュピター
きつねにつままれたようだった。ドアにはスーツに身を包んだ監視役が出入りに目を光らせる。窓には、豪華な部屋に似合わない黒いビニールで目張りがされ、外を望むことはできない。事実上の密室。ホテルを出発したのが朝、6時半、バスで待機させられ、この部屋に閉じ込められ、そこまで押したシャッターはバスの窓越しからのわずか数カット。アメリカまで来て、時間を無駄に浪費していた。
前の晩、厳寒の首都ワシントンから政府専用機2時間半で南部フロリダに到着した。暖かい風の出迎えに胸を躍らせたのがはるか昔のようだ。外の空気が懐かしかった。
フロリダのパームビーチ郊外。「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ジュピター」のクラブハウスのなかの一室。その安倍晋三首相の訪米同行記者の“待機室”には30人ほどの日米合わせた報道陣が缶詰になっていた。ふんだんに用意された飲み物や食べ物。それはこの“軟禁状態”が長引くことを意味していたのだ。
すぐ外のゴルフコースでは、いまごろ安倍首相とトランプ大統領が歴史的なラウンドをしているはずだった。私は、満を持してそれを撮りにここに来て、今がまさにその時のはずだったが、小さな部屋で焦りを募らせていた。