
米国をめぐる雇用状況【拡大】
トランプ米政権の保護貿易主義をめぐり、一部メディアは自動車や為替摩擦の再燃を煽(あお)り立てるが、時代錯誤もいいところだ。トランプ通商政策の最大の「敵」は日本ではなく中国である。対峙(たいじ)するためには日本との協調が欠かせない。2月10日の日米首脳会談はその第一歩になるはずだ。
トランプ大統領は就任後、ただちに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを宣言した。さらに、日本の自動車市場の「閉鎖性」や「円安」を糾(ただ)す構えをみせた。
日本市場の「閉鎖性」の主要点は1995年の日米合意でとっくに処理済みだ。欧州車に比べ日本の消費者には米国車の魅力がないだけのことだ。為替は市場需給にまかせればよいだけだ。日米などが協調してドル安に誘導するプラザ合意の試みは87年10月19日の史上最大規模のニューヨーク株価大暴落「ブラックマンデー」を引き起こし、大失敗した。
トランプ大統領は先の安倍首相との電話会談で日本車メーカーの米国での雇用促進を求めた。米自動車市場は投資先として魅力があるから、トヨタ自動車など各社も対米投資に前向きだ。安倍政権は民間の計画をうまく振り付けて、日米互恵を打ち出せばよい。