
ゴルフ場に到着したトランプ大統領と安倍晋三首相とみられる2人=11日午前、フロリダ州ジュピター(松本健吾撮影)【拡大】
期待を胸にアメリカへ
2月の上旬。
所属する写真報道局の上司に声をかけられたのが取材の始まりだ。
「安倍首相がトランプ大統領に会いにいき、一緒にゴルフをやるらしい。これからの日米同盟を占う訪米になる可能性がある。行けるか?」。普段は海外通信社などの配信写真を使い、滅多に行く機会のない首相の外遊への同行取材だ。たまたまアメリカの報道ビザを持っていた私に声が掛かった。幸運な巡り合わせで掴んだチャンス。否が応でも力が入る。
安倍首相とトランプ大統領は、就任後の初顔合わせ。さらにゴルフ。遡れば安倍首相の祖父、岸信介もアイゼンハワー大統領とゴルフをプレーした歴史もある。宿命のような出来事だ。トランプ大統領就任前、安倍首相は黄金のクラブを贈っていた。そのクラブでショットを打つトランプ大統領、笑顔で見守る安倍首相。日米関係の新しい一幕。間違いなく今回の訪米の目玉のシーンだ。わき上がる様々なイメージ。撮影できればカメラマン冥利に尽きる。
繰り返される「調整中」
一方で、不安もあった。外務省によれば、通例からいけば、ホワイトハウスで行われる初日のメーンとなる首脳会談や共同記者会見は、比較的自由に取材できるとのことだった。一方、ゴルフの取材の可否については、報道担当者は「調整中」と繰り返すばかりで、ヤキモキする日々が続いた。しかし、どこか私は楽観的に捉えていた。「調整」とは、つまり、どの程度取材できるか。ティーショットなのか、コースを歩いているところなのか、最悪ゴルフを終えた後の束の間かと、つまり条件的な折り合いをつけていると、受け取っていたからだ。