
ゴルフ場に到着したトランプ大統領と安倍晋三首相とみられる2人=11日午前、フロリダ州ジュピター(松本健吾撮影)【拡大】
怪しい雲行き
しかしこの部屋に押し込まれ、刻々と時間が過ぎていくにつれ、雲行きが怪しくなっているのに気づいた。ただもう出来ることはここで待機することだ。「可能性はゼロではない」と自分に言い聞かせていた。いつか、「カメラを持って急いで来て下さい」と声がかかり、ゴルフコースに案内され2人を撮影できる時がくるはずだ。少なくとも2人がいるこの場所を離れることは得策ではない。
だが、次第に、ここまでして、なぜ撮らせないのかとの疑問も生まれた。外務省の報道担当者やペン記者などに聞くと、持論を披露してくれる。「世界から反発されているトランプ大統領と笑顔でゴルフをしている様子が流れることで、イメージへの悪影響を心配した安倍首相が首を縦に振らない」という、日本側原因論から、「プライベートな時間だから取材させないのが基本」というそもそも論から、「トランプ大統領がアメリカ国内のさらなる反感を警戒して」「いずれにせよ、アメリカが撮影を許せば、日本は従わざるを得ないのだから、アメリカが断っている」という米国側が原因論。どれも納得できるようで、腑に落ちなかった。トランプ大統領は日米首脳会談でも、共同記者会見でもしきりにゴルフが楽しみだとアピールしていた。「いまさら隠す必要があるのか」と、問うても、「まぁ、トランプさんだからねぇ」とつぶやいて、うやむやになるのだった。
ゴルフ取材はノーチャンス
その日、昼食時に改めて、米側のプレスオフィサーに取材を要請した際に戻ってきた「こんな暑いなかでゴルフやって汗だくのところを撮影させる訳にはいかない」と木で鼻をくくったような回答に、ようやく私はノーチャンスだと悟った。