就任1カ月、株価も“アメリカ・ファースト”? ダウ平均は2万ドル突破で快進撃、日経平均は1万9500円の壁
トランプ政権トランプ米大統領が就任してから20日で1カ月を迎えた。米ダウ工業株30種平均は史上初の2万ドル超えを果たし快進撃を続けるのに対し、日経平均株価は外国為替市場で円安ドル高の勢いが鈍いことが足かせとなって1万9500円近辺が壁となり、平成27年12月以来の2万円には近づけていない。金融市場は今後もトランプ氏の言動に一喜一憂する展開とみられ、日経平均は足踏みの状態が続きそうだ。(森田晶宏)
ダウ平均は、トランプ氏就任から4営業日目の1月25日に2万ドルを突破した。
その後、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令に伴う混乱などで下押しされたが、トランプ氏が今月9日に「向こう2、3週間に税に関して目を見張る発表を行う」と発言すると再び上昇気流に乗り、直近の17日終値は2万0624・05ドルと7営業日連続で過去最高値をつけた。
一方、日経平均は今月13日の取引時間中に一時1万9519円44銭まで上昇したが、終値ではこの1カ月間、1万9500円近辺の壁を破れずにいる。週明け20日は、円高ドル安で一時前週末比119円安となったが、終値は16円46銭高の1万9251円08銭と3営業日ぶりに小反発した。
日経平均に足踏み感が強いのは、企業の業績に追い風となる円安ドル高が進まなくなっているためだ。
円相場は、日米首脳会談前の今月7日に一時1ドル=111円台半ばまで円高ドル安が進行。20日の東京市場では1ドル=112~113円台で推移したが、トランプ氏の就任前日に比べると円高ドル安方向にある。
みずほ証券の鈴木健吾氏は「トランプ政権による過激な政策への失望と将来の政策に対する期待が混じり合っている」と指摘する。
トランプ氏の最側近の一人であるフリン大統領補佐官が早々に辞任し、閣僚人事の承認が遅れるなど、政権の先行きには不透明感が拭えない。当面は、減税案の具体的な内容や今月28日に予定されるトランプ氏の議会演説が注目される。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「減税案の内容が期待を下回ったり、トランプ氏の過激な言動が復活したりすれば、株価の下押し圧力になる」と話した。
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