米抜きTPP、11カ国早期発効目指し声明 協議難航か 米通商代表「離脱変わらず」
米国を除く環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の11カ国は21日、ベトナムのハノイで閣僚会合を開き、早期発効の合意に向けた声明を採択した。11月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに発効への準備を終えるよう首席交渉官に指示。合わせて開催される閣僚会合で発効を判断する見込みだ。発効には慎重論も根強く、協議は難航しそうだ。
声明では、11月までに早期発効に向けた手法について合意するよう首席交渉官に求めた。米国復帰の優遇策も検討すると明記した。高い水準の自由化を受け入れるほかの国の参加を認め、TPPを拡大する方針も打ち出した。一方、慎重論も踏まえ、有志国だけでの発効も含めて柔軟に対応できるようにした。
11月の節目に先立ち、首席交渉官会合を日本で7月に開催することでも合意した。TPPの首席交渉官会合の日本開催は初めてで、日本が主導する姿勢を示す。閣僚会合に出席した石原伸晃経済再生担当相は終了後、記者団に対し、閣僚レベルでも再度、会合を開催する可能性を指摘した。
一方、石原氏は「関税をいじるのはやめましょうということは共通していた」と説明。日本政府は協定の変更を最小限にしたい考えだが、知的財産などルール分野で再交渉となる可能性を示唆した。
ベトナムやマレーシアは、米国市場への輸出拡大の代わりに国営企業改革で譲歩したことから不満がある。一方、日本国内でも米国の参加が前提の乳製品の輸入枠や、牛肉、豚肉の緊急輸入制限(セーフガード)の発動条件などの扱いに批判が残っている。
声明では、このほか「TPPのバランスの取れた成果や戦略的・経済的意義を再確認した」と指摘。発効に向けた努力について「保護主義の懸念に応え、自由市場の維持、ルールに基づく貿易体制の強化に貢献する」と強調した。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は21日、APEC貿易相会合後の記者会見で「米国はTPPから離脱した。その決定が変わることはない」と述べ、TPP復帰の可能性を明確に否定した。
米国を除くTPP参加11カ国は21日、早期発効に向けた作業を進めることで合意した。これに対しライトハイザー氏は「11カ国は自分たちで(方針を)決定できる。米国も自らの決定をする」と述べ、米国は関与しない意向を示した。
ただ「米国は決してアジア太平洋地域に背を向けるわけでない」とも強調。その上で、通商政策は「多国間の貿易協定よりも2国間の方がいい」とするトランプ米政権の方針を改めて説明した。(共同)
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