ミャンマー、高まる私学熱 5年で50校から585校 教員充実

 
試験に備え、会場の外でテキストに目を通す子供たち=ミャンマー最大都市ヤンゴン(AP)

 ミャンマーは、私立学校の人気が高まっている。同国の教育省のデータによると、2016年度(16年4月~17年3月)の私立学校数は585校、生徒数は14万860人、教員数は8393人だった。学校数は11年度の約50校から急増している。公立学校の教育環境の悪化で、生徒が私立へ流れているのが要因だ。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。

 同年度の公立学校の学校数は4万6006校、生徒数は907万8360人、教員数は38万6709人だった。教員1人当たりの生徒数は、私立の17人に対して公立が234人と大きな開きがあり、保護者が私立を選択する大きな理由になっている。このほか、指導方法や課外活動の充実度でも私立の評価が高いという。

 妹を私立に通わせている保護者の一人は、公立は生徒が多すぎて授業に集中するのが難しいと指摘したほか、「コンピューターやスポーツ、美術なども学ばせたいが、公立では重視されていない」とも述べた。このケースと同様に、授業料など費用は公立の方が割安でも、教育内容の面での安心感から私立を選ぶ保護者が増えているもようだ。

 ミャンマー政府は今年2月、教育改革の5年計画を発表した。「国家教育戦略プラン」と名付けられたこの計画は、17~21年度に実施する予定で、(1)基礎教育期間を11年から13年に延長(2)暗記重視から応用力重視への転換-などを柱とする。計画の実施を通じて教育を受ける機会の拡大や中退率の低減に注力する方針だ。

 公立学校の環境改善にもつながる計画だが、資金的な問題などから実行に関して懐疑的な声も上がる。昨年度の同国政府の教育への支出は、約11億ドル(約1224億円)だったが、同計画の実現には年間で21億~26億ドルが必要となる見通しだ。

 今後、私立に生徒が集中していくのか、あるいは公立が環境改善に成功して信頼を取り戻すのか。政府の手腕も問われていきそうだ。(シンガポール支局)