2プラス2 北朝鮮に何もしない中国 日米韓の防衛態勢強固に
【ワシントン=加納宏幸、杉本康士】日米両政府は17日午前(日本時間同日夜)、ワシントンで日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。ティラーソン国務長官は「中国が北朝鮮に対して何もやらないことが日米韓の防衛態勢を強固にする結果につながる」と述べ、日米韓3カ国の連携が中国に対北圧力強化を促すカードになるとの認識を示した。
2プラス2は日本側から河野太郎外相と小野寺五典防衛相、米側からティラーソン氏とマティス国防長官が出席。ワーキングランチも含め約3時間協議し、北朝鮮に対する圧力強化を図る姿勢などを盛り込んだ共同発表をまとめた。
2プラス2で、ティラーソン氏は日米韓の連携強化について「それが中国にとっていいことかどうか。中国がどう考えるかが大事だ」とも語った。河野氏は、東南アジア諸国などに対する海上警察力強化などの能力構築支援に今後3年間で約5億ドルを拠出する方針を表明し、強引な海洋進出を進める中国を牽制(けんせい)した。
小野寺氏は北朝鮮が在日米軍の攻撃を想定して弾道ミサイルを発射している現状に言及し「米本土が攻撃されるのと同等だ」として危機感の共有を訴えた。マティス氏は「拡大抑止による米国の日本防衛のコミットメントは揺るぎない」と明言した。
河野、小野寺両氏はオーストラリアで米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の新型輸送機オスプレイの墜落事故に関連し、飛行の安全確保を要請した。
4閣僚は17日午後(日本時間18日未明)に共同記者会見を行い、ティラーソン氏は「北朝鮮が間違った選択をした場合、外交努力は強い軍事的結果に裏打ちされていなければならない」と北朝鮮に警告。マティス氏も北朝鮮が米領グアム沖に4発の弾道ミサイルを発射する計画を公表した経緯を踏まえ「(日米両国は)ともに脅威を抑止し、必要であれば打倒する。いかなる敵対行為も効果的で圧倒的な反応に直面する」と断じた。
河野氏は「北朝鮮が挑発的かつ脅迫的な行動を自制し、非核化に向けて真剣な対話に戻ることが大事だ。対話のための対話には意味がない」と指摘。小野寺氏は「あらゆる事態の対応を万全とするため、自衛隊と米軍の防衛協力をさらに推進し、国民の安心・安全の確保に万全を尽くす」と強調した。
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