基準地価、商業地の上昇幅拡大 訪日客増で再開発進展 地方へも回復波及

 
平方メートルあたり地下最高額の東京都中央区銀座2ー6ー7「明治屋銀座ビル」前(佐藤徳昭撮影)

 国土交通省は19日、平成29年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)を発表した。訪日外国人旅行者の増加に伴う再開発の進展などを受け、商業地の全国平均は上昇率が0・5%と上昇幅が拡大した。札幌、仙台、広島、福岡の「地方中核4市」は平均7・9%と三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の3・5%を上回り、地方圏全体もマイナス0・6%に下げ幅が縮まるなど、地価回復の動きが地方へと広がっている。

 商業地は9年ぶりに下落が止まった前年(0・005%)に続いて2年連続の上昇。物流施設の建設需要などから工業地が26年ぶりにプラスに転じた。国交省は「低金利で法人投資家などの投資意欲が高く、地方へも投資マネーが流れている」と分析した。

 一方、住宅地は全国平均でマイナス0・6%と26年連続の下落だが、下げ幅は縮小した。雇用環境の改善や住宅ローン減税などによる住宅取得需要が堅調で、底堅く推移している。

 都道府県別の上昇率トップは、商業地が京都府の5・7%。訪日客に人気の京都市の伏見稲荷大社や八坂神社周辺などで、観光客向けの店舗やホテルの需要が高まった。住宅地は沖縄県の2・4%。再開発が進む那覇市の那覇新都心地区の上昇が目立った。

 一方、下落率が最も大きかったのは商業地、住宅地とも秋田で、商業地が3・1%、住宅地が2・9%だが、下げ幅は前年よりも縮小した。熊本地震の復興事業が本格化している熊本は、商業地が0・1%の上昇に転じ、住宅地は下げ幅が縮小した。

 エリア別にみると、三大都市圏は商業地が3・5%の上昇で、20年のリーマン・ショック後、最も高い水準となった。住宅地が0・4%上昇で4年連続プラス。札幌などの地方中核4市は、商業地の上昇率が平均で7・9%のほか、住宅地は4市平均で2・8%と大幅プラス。4市以外の地方圏は商業地、住宅地ともにマイナス1・1%だったが、下落幅は縮小した。

 全国の最高地点は、12年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」。1平方メートル当たり3890万円で、バブル絶頂期だった2~3年の3800万円を上回った。