【革新機構・世耕氏会見(2)】「白紙委任しているわけではない」「報酬・ガバナンスでズレ」

 
産業革新投資機構の民間出身取締役の総退陣について、記者団に説明する世耕経産相(中央)=10日午後、経産省

 報道陣との質疑応答が始まった。

 --田中(正明)社長は記者会見で、経産省の対応について「法治国家ではない」などと厳しく批判した

 「田中社長がそういう気持ちをもつ原因を作ったのはやはり、経産省が事務的に提示をした報酬オファーを撤回するという非があったわけなので、ここは率直におわびをしたいと思うし、(嶋田隆)事務次官や私がけじめを付けていることもご理解をいただきたいと思っている」

 「ただ一方で、JIC(産業革新投資機構)は商法、会社法に基づく株式会社であると同時に、国の資金で運営される法人として産業競争力強化法の規律が適用される組織でもある。取締役会で決議した報酬基準に基づく予算であっても、その内容に照らして、経産大臣が認可しないということは、当然法律上は想定されているわけであり、このことをもって、『法治国家ではない』ということはないのだろうと思っている」

 「いずれにしても、最終的に省内、政府内で確定しているわけではない報酬案を紙で示したという事務的失態については深くおわびするしかないと思っている」

 --田中社長は会見で、経産省の態度が変わったことで不信感が募ったという趣旨のことを述べた

 「われわれはずっと、この立ち上げに関して、事務的にも議論をしてきている。また私は、国会答弁や記者会見で明確に方針をお話ししているわけで、何か経産省の方針が急に変更になったということはない。

 ただ、最終段階になって報酬のことが一つのきっかけになった。これは私も答弁や記者会見で申し上げてきたように、当然、グローバル人材を集めるとなれば一定程度の報酬水準というのは必要だと」

 「しかし一方で、国のお金で運営している。民間ファンドの場合は資金集めが一番大変だが、(JICの場合は)そこは国の資金でカバーされているという中、そして国の資産をベースに運営されているという中で、やはり国民世論が納得する一定の水準というものはあるだろうと」

 「例えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の給料とかもあるわけで、そういうところを見ていかなければいけないという議論については、われわれとしてはまったくぶれていない。最終盤になって話し合う中で、ガバナンスのあり方について、これも私が国会で答弁してきたとおり、今までの官民ファンドは一つ一つの企業への投資に国のチェックが入っていたために機動性に欠けていた、あるいは投資期間として十分な活動ができなかったという面があるので、今回は基本的に国は大きな方針を決めて、その方針の中で一つ一つの企業への投資については国があれこれ差配することはないという考え方のもとで立ち上げた」

 「やはり大きな方針と、それぞれ運営されるファンドについては、われわれは国会にも説明しなければいけない、国民にも説明しなければいけないという意味では、一定の透明性ということが前提になっていた」

 「ただ、例えば孫ファンドということになり、少し透明性に問題があると認識をせざるを得ない面も出てきた。われわれは白紙委任をしているわけではない。国民のお金を投資してもらっているという立場から、やはり一定の説明責任、透明性というのは求めたいというのがわれわれの立場であって、孫ファンドまで作ってそこから先は全く国が見えないということは想定していなかった。報酬面、ガバナンス面、大きくはこの2点において最終的に経産省とJICのズレが埋まらなかったということに尽きるのではないかと思っている」

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