つまりこの31年間で、経済の規模が92倍に増大したのに対して、供給された通貨、すなわち札の量は、経済規模の増大の約8倍に膨らんだわけである。
今までの中国の経済成長はまさに札の乱発によって作り出された水増しの経済成長であることが分かるが、すさまじいインフレがそこから生じてくるのも当然の結果であろう。実体経済の裏付けのない「空虚のマネー」がそれほどに乱発されると、当然、貨幣の価値が大幅に落ちてしまうことになる。それがインフレ、物価の上昇となって表れてくるのである。
そういう意味で、中国のインフレはそう簡単に収まりそうもない。過去30年のツケが回ってきたわけだから、それを時間をかけて払わなければならない。インフレはこれからも、かなり長い期間にわたって中国全土を席巻することになるだろう。
こうした中で、いかにしてインフレの高進に対処するのかは中国政府にとっての緊急課題となりつつある。中国人民銀行は10月に2年10カ月ぶりとなる利上げを実施し、11月に預金準備率を過去最高水準に引き上げたのもまさにインフレ退治策の一環であるが、12月3日、中国共産党は政治局会議を開き、「適度に緩和的」だった金融政策を「穏健的(慎重)」に変更すると決めたことも注目すべきであろう。
【石平のChina Watch】
半年で1兆円投資
発想そのものの違い
党幹部などの子供が暴走する事故も