中国指導部はそれで、インフレ退治のための金融引き締め策へ転じるそぶりを見せはじめているが、彼らには依然、思い切った金融引き締めへ舵(かじ)を切る覚悟ができていない。本欄がかねて指摘しているように、本格的な金融引き締め策を採ってしまうと、その副作用として不動産バブルの崩壊と経済の急落が避けられない。インフレの高進を恐れているのと同じ程度に、中国政府は経済の急落も非常に危惧している。
中国政府がこの深刻なジレンマからどう脱出するのかが「お手並み拝見」である。少なくとも、今まで30年間、貨幣の過剰供給によって支えられてきた高度成長が終焉(しゅうえん)を迎えることは確実ではないだろうか。
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【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
【石平のChina Watch】
半年で1兆円投資
発想そのものの違い
党幹部などの子供が暴走する事故も