南京条約以降、約170年にわたってアジア地区の貿易拠点として栄え、対中国取引の要としての役割により、さまざまな商流と人材が蓄積されました。
「日本と中国の直接貿易」と「日本・香港・中国の貿易」の違いがよく取り沙汰されますが、前述のように「香港は中国だけど外国」なのでハード面で目に見える大きな違いは人民元取引以外はないといえます。
ただし、香港へ拠点を持つことによりさまざまな目に見えないソフト面での利点があることを見落とさないようにしてください。
例えば、中国華南地区における老舗バイヤーやサプライヤーと取引を開始しようとする場合、彼らは既に自前の商流を構築していることが多く、商流上の理由から香港での決済を要求してくることがあります。その場合、香港に拠点がないという理由で取引がややこしくなったり、最悪の場合は取引がだめになることも考えられます。
◆他拠点との違い
アジアの拠点は、香港にするか、それともシンガポールに作るか。そんな相談を受けたときは、対中国取引を考えるのであれば間違いなく香港と筆者は答えます。香港とシンガポールはそれぞれ、税制面、社会制度、インフラ、金融都市としての機能を考えた場合、甲乙つけがたい政策を出しています。しかし対中国取引を念頭に置けば、大きな違いがあります。それは、「シンガポールは外国」で「香港は中国だけど外国」という点です。人民元決済のように、香港には対中国取引において絶対的な優位性があります。