国が定める本人の比率について、上海市では前年給与の平均月額と定め、さらに基数の最高限度を上海市従業員平均給与月額の3倍とし、11年度はその金額を1万1688元(約15万円)としています。
それに対して大連では「会社負担基数を前月従業員給与総額に基づくことに関する通知」を11年8月25日に公布し、翌月の9月1日から会社負担の基数を前月分の給与総額(個人負担分は、従前どおり前年給与総額の平均)として、さらに基数の上限を撤廃しました。
◆義務付けの影響
外国人駐在員に社会保険加入が義務付けられることにより、どのような影響が生じるのかを考察してみましょう。
まず、日本から中国の子会社に出向している人は日本との雇用契約があり、日本の親会社から給与が出ている限り、日本の社会保険にも加入し続けることになります。
加えて11年10月15日から、日本企業の出向者は日本の社会保険のほかに、中国の社会保険にも加入しなければならなくなりました。すなわち、現地採用者を除く中国駐在員は日本の社会保険を納付し、中国でも社会保険を納付するという二重納付が生じることになったのです。
◆大きなコスト増
次に、上海市の社会保険料を例に、企業側の負担を考えてみましょう。会社負担は前年度給与総額に対して37%、個人負担は前年度給与総額に対して11%です。単純に考えると会社負担は37%ですが、駐在員は社命で赴任しているのに現地での社会保険負担を個人で負担せよといわれても納得できません。このため、実際は全額(37%+11%=48%)が企業の負担増となります。