原発再稼働 約5割前向き 118社アンケート (2/3ページ)

2012.5.5 05:00

 ただ、完全復活にはまだ早そうだ。「あまり解消されていない」もしくは「解消されていない」と答えた企業は合計9%。割合こそ低いが、「震災が消費マインドを冷え込ませ、それが今も続いている」(食品)との答えもあり、日本経済全体の先行きを占う上でも懸念材料になりそうだ。

 「出荷前の製品に対し放射線量のサンプル測定を続けている」(自動車)との回答もあり、電力不足以外にも原発事故が重荷となっているケースが多数ありそうだ。

 ◆電機に設備過剰感

 また、震災に加え、欧州債務危機による景気低迷で過剰感が指摘されていた国内生産設備や人員の問題がなお残っていることも浮き彫りになった。

 アンケートでは25%が「若干の過剰感がある」と回答。「過剰感がある」の3%を加えると全体の3割に迫る。一方で、「不足している」と答えた3%の中には復興需要に沸く建設会社が含まれる。「ない」が3分の2を占めているとはいえ、視界が完全に晴れたとは言い難い。

 「若干ある」または「ある」と答えた企業はとりわけ電機メーカーに多い。日本の電機メーカーは韓国や台湾のメーカーに押され、数年前から生産スリム化に取り組んでいるが、依然として国内生産の維持すらおぼつかない状況だ。