【日曜経済講座】電力不足…インフラ整備急務 民主化進むミャンマーへの日本企業進出 (2/3ページ)

2012.6.18 10:10

 1つはミャンマーそのものの魅力だ。天然ガスなどの資源が豊かで、人口は約6200万人。10年度の1人当たりの国内総生産(GDP)は702ドル(約5万5千円)にすぎず、消費市場としてはこれからだが、若くて安く、豊富な労働力は生産の担い手として期待がかかる。

 最近の日本企業は、人件費が高騰してきた中国に製造拠点が集中するリスクを避けるため、「チャイナ・プラスワン」としてベトナムなどに注目してきた。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査ではミャンマー労働者の月額平均賃金は約95ドルで、中国やタイはもとよりベトナムと比べても半分程度だ。その意味で、ミャンマーは縫製や食品加工などの労働集約型産業でプラスワンの有力候補となり得る。ユニクロを展開するファーストリテイリングが同国生産を検討するのも同じ狙いだ。

 もう1つの観点は東南アジア諸国連合(ASEAN)の一員としての位置づけだ。東南アジアでは、タイとベトナムなどを幹線道路で結ぶ南部・東西経済回廊の整備が進んでいる。さらにタイとミャンマーの港が幹線道路でつながれば、海路でミャンマーと一直線につながるインドとの物流も効率化できる。

 経団連の横尾賢一郎・国際協力本部長は「東南アジアの連結性が高まれば、日系企業のサプライチェーン(部品供給網)が強化される。ASEAN全体のインフラ整備を考える上でミャンマーは戦略的に極めて重要だ」と指摘。同国は、世界の工場の役割を担う東南アジアと、新興国インドを結ぶ重要拠点となる。