【日曜経済講座】電力不足…インフラ整備急務 民主化進むミャンマーへの日本企業進出 (3/3ページ)

2012.6.18 10:10

 改革の見極め不可欠

 もちろん乗り越えるべき課題は多い。最大の問題は電力や道路などのインフラが十分に整っていないことだ。電力供給については「4月以降は電気が来なくなってきた。工業団地ですら来ない」(ジェトロ)。ミャンマーの発電設備容量の7割は水力で、ダムの貯水量が減る乾期(11月~5月)は慢性的な電力不足に陥る。

 ただし、インフラ整備の遅れは日本企業のビジネスチャンスでもある。日本は官民一体でヤンゴン近郊にあるティラワ港経済特区の開発支援を掲げるが、こうしたインフラ需要を着実に取り込めるかが今後、企業進出が加速するかどうかを占うカギとなる。

 もう1つの課題は、経済改革の行方だ。ASEANは関税や非関税障壁の撤廃などを通じた経済統合を目指しており、2年後に議長国を務めるミャンマーも改革が急務だ。

 いくつかの改革は進んでいる。例えば今年4月の管理変動相場制への移行。公定為替レートと市場レートが併存していたが、市場レートに近い新公定レートでほぼ一本化された。同国で生産した製品に対する輸出税も段階的に減らされ、中古自動車の輸入規制も緩和された。

 一方で国内産業の保護・強化も迫られており、急激な外資規制の緩和には慎重な面もある。同国への投資が本当のブームになるかどうかを判断するには、今後の政治情勢も含めた改革の方向性やスピードを見極める必要がある。(経済本部部長・長谷川秀行)