【視点】原発の再稼働 二者択一ではなく冷静な判断を (2/3ページ)

2012.7.24 05:00

 全国に点在する54基の原子力発電所は一斉に運転を始めたわけではない。1970年にスタートした関電の敦賀原発1号機と美浜原発1号機がもっとも古く、運転年数は41年を超えている。全体では運転年数が30年を超える原発が17基にのぼり、メルトダウン(炉心溶融)を起こした東京電力福島第1原発1号機も40年目が目前だった。

 気になるのはこうした「高齢原発」の安全性だ。年月がたつことで性能や品質が低下してしまう経年劣化は、金属にもプラスチックにもみられる。原発施設でも繰り返し力がかかって材料が割れたり、長い間水が流れるうちに配管に侵食や腐食が起こったり、ケーブルを覆うゴムやプラスチックの絶縁効果が低下することが起こり得る。

 電力会社は国のガイドラインに従って保有原発の定期点検を欠かさず、運転年数が30年以上の原発には通常のメンテナンスに加え、10年ごとに新たな損傷や劣化の発生状況をチェックして最新の設備や機器に取り換える経年劣化対策を実施してきた。しかし、炉心の圧力容器そのものは取り換えることができないのではないか。

 運転年数が長いからといって簡単に廃棄はできない。廃炉には通常20~30年かかるとされ、膨大な処理費用が必要になる。使用済み核燃料の廃棄方法や廃棄場所も考えねばならない。廃炉にするかどうかは安全性やコストなどを総合判断して電力会社が決めることになっているが、日本には原発の運転年限に関する取り決めがないから難しい経営判断になるだろう。

巨費をかけて新設した若い原発まで一挙に廃炉にしてもいいものなのか

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