サムスン電子の技術部門OBによると、サムスンは2000年代初めに最高経営責任者(CEO)直属の「デザイン経営センター」を開設。デザイン戦略会議を運営し、常時1000人以上のデザイナーが「デザイン特許開発力の強化」を最大目標として製品開発に当たっている。
直近では従来の製品外装にとどまらず、使用者の立場に立ったデザイン「ユーザーインターフェース(UI)」などのソフトウエア関連のデザイン開発に力点をシフトさせていた矢先の全面敗訴だった。
OBは「先駆的製品に刺激を受け、それを乗り越えることがイノベーションの過程には必須だが、サムスンは独自性の高い製品開発力を持つ企業に向かっており、それが誇りだった」と指摘。「依然としてサムスンが模倣段階にある企業だとされたことで、誇りを大きく傷つけられたのが今回の評決だ」と打ち明けた。(ソウル 加藤達也)