イタリアですら「若者のクルマ離れ」加速 IT化で変わる価値観 (3/3ページ)

2012.10.14 07:30

 この数年、ミラノではあらゆるところに監視カメラが設置され、信号無視などの違反は徹底して摘発されるようになった。シートベルトの未装着にも警察の目は厳しい。それでも日本と比べればまだまだ荒っぽい。ケータイを耳にあてながら平気で片手運転している。が、飼いならされたオオカミのようにイタリアのクルマの運転も「凶暴さ」がなくなってきた。 

 このような流れとクルマへの興味の低下が直接関係しているのかは分からない。が、安全性や社会的な問題への関心の高まりが、冒頭の若者の感覚にあるように、クルマを重くさせている。他方、こうした動向に敏感なカーメーカーは「社会的贖罪」の意味もこめて、事故発生を回避する先端技術の開発をより促進する。

 さらにネットやスマホの普及で人のコミュニケーションのあり方が変わり、クルマは「どうでもいい」ツールに成り下がり、クルマに費用をかけることをバランス悪く考える人が増えてきた。ITとクルマの関係にすきま風が吹いているのが先進国だ。

 クルマのIT化は、自動車業界にとって社会的存在としてのクルマをアピールする絶好のビジネス機会だ。電気自動車の導入は、その流れを加速するはずである。しかしながら、クルマが愛される対象から離れつつある。冷蔵庫を愛さないのと同じだ。

 カーキチ・イタリア人の辿る道は変化に対して示唆的、と言える。

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場をモノのローカリゼーションレベルから理解するアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だ。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。今年は素材ビジネスやローカリゼーションマップのワークショップに注力。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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