大西洋を越えた英国で持ち上がったのは、原発と電力という安全保障の核心に触れる問題だ。独企業が撤退したあとの原発計画に今夏、仏原子力大手アレバが中国国営の広東核電集団と組んで入札することが明らかになった。
英国での成功は海外への原発売り込みを図る試金石になるとみられたが、結局アレバは今月、入札を見送ったことを明らかにした。
与党保守党議員からも安全保障上の懸念を引き起こすといった批判が続出。前労働党政権のエネルギー政策担当者も「英国のエネルギー供給網の内部に入り込んでくることになる」(フィナンシャル・タイムズ)と脅威論をかき立てていた。中国企業の参入に高まった批判が、入札見送りに影響した可能性もある。
透明性欠く“灰色”企業
米国政府が企業に命じてイランに経済制裁を科すように、西側諸国のといえど政府や政治情勢から自由な企業はない。大統領選と議選前に発表された米下院報告書も、対中強硬姿勢を票に結びつけたい議員たちの政治的な思惑もにおう。
しかし、最大の問題は中国側には第三者が判断に参加できる透明性がないということだ。