尖閣諸島を含む東シナ海上空【拡大】
米政府内のさまざまなレベルの高官が、その後も「最終的な領有権についてはいかなる立場をも取らない」という条件付きながら、同様の発言を繰り返してきた。
日本政府、国民が大きな援軍と感じるのは当然だろう。しかし、過去を振り返ってみると、米国がこうした見解を表明したのは、実は初めてではない。2代目ブッシュ政権時代の04年3月、国務省副報道官が、やはり主権の帰属問題に立ち入ることは避けながらも、「尖閣は沖縄返還以来、日本の施政管理下にある」として安保条約の適用範囲であることを鮮明にしている。日本でも報道されたが、当時はこの問題をめぐる緊迫感が今回ほどではなかったこともあって、国内の反応はいまひとつだったが。
その一方で、驚くべきことに、全く別の見解が示されたこともある。クリントン政権に遡(さかのぼ)る1996年10月、モンデール駐日米大使(当時)が「米国は、尖閣に介入する安保条約上の責務は有していない」と言明して、日本側をびっくりさせた。ほぼ時を同じくして、国務省報道官も「われわれの立場は、特定の国を支持しないということ」とだけ述べ、ことさら尖閣の防衛義務への言及を避ける慎重な姿勢をみせた。