企業活動や国民生活への影響は深刻だ。朝鮮日報は10月末、造船世界3位の現代重工業の今年の受注額が9月現在で131億ドル(約1兆500億円)と、前年同期比で40%以上も減ったと報じ、「ここ数年は欧州の景気低迷で商船の受注が激減し、今後の見通しも暗い」とする業界関係者の悲観論を伝えた。
李大統領は10月29日、国民向け演説で「すぐに回復すると確信している。困難なときこそ起業家精神を鼓舞しなければならない」と主張したが、韓国財界筋は「この発言自体、韓国経済の危機の深刻さを反映している」と冷めた見方だ。
韓国では「日本のように(物価下落と実体経済の縮小が同時進行する)デフレスパイラルに突入するのではないか」との警戒論も台頭している。7月の消費者物価指数が過去12年で最低となり、物価上昇率の縮小状況が1990年代初めの日本に似ている、というのだ。
このため、低成長期の資産運用について「日本に学べ」の認識が国民の間で広がっている。証券・金融大手は、野村証券などの企業戦略を強く意識し、資産運用型商品の開発に力を入れている。だが、金融当局筋は「経済の規模や内外需の依存度合い、金融市場のあり方の違いが大きすぎ、不況をしのぐための日本研究が役に立つかは未知数だ」としている。(ソウル 加藤達也)