パナソニックと韓国サムスン電子の比較【拡大】
【家電漂流】(上)
大阪府門真市。40年以上の歴史を持つ「パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館」を訪れた韓国サムスン電子の男性社員が述べた感想に、パナソニック関係者は衝撃を受けた。
「サムスンの歴史館と一緒。パナソニックが、まねして作ったに違いない」
幸之助歴史館は昭和43年に開館し、サムスンの会社設立は翌年の44年と、真相はその逆にある。サムスンの李健煕(イゴンヒ)会長が松下幸之助氏の“商の心”を愚直なまでに学んだことにより、2つの歴史館の内容が似てきたという。
「李会長は幸之助さんの著書を読みあさり、役員にも配っていた」。サムスン元幹部はそう振り返る。
今や世界の家電市場を席巻するサムスンだが、2000年代までは日本の家電メーカーにとってライバルとも言い難い小さな存在だった。李会長は、1993年に企業ロゴを「三星電子」を表すデザインから「SAMSUNG」に変更。