パナソニックと韓国サムスン電子の比較【拡大】
「女房と子供以外はすべて変えよう」と革新を断行してきたが、それでも98年度の最終損益は、パナソニックが203億円の黒字だったのに対して、サムスンは大幅な赤字にあえいでいた。
そんな日韓の立場が逆転したのは、サムスン、韓国LG電子などがウォン安と技術力を武器に、世界で存在感を見せ始めたからだけではない。「日本製は品質も性能も最高水準」という評価に甘んじ、日本の家電各社がヒット商品を生み出すための機動力、柔軟性を失っていったためだ。関係者は「大企業病に陥った日本の家電各社は重厚長大産業のようだ」と指摘する。
李会長が幸之助氏の経営理念を習ったように、今の日本企業はサムスンや米アップルの経営戦略を取り入れられるのか。残念ながらそれは不可能に近い。
「アップルをたたきつぶしてください。どんな手を使ってもいいから」。元サムスン社員だった日本人男性は、サムスン幹部が部下にこう指示するのをみて驚愕(きょうがく)した。